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やっぱり、バンド小説はいいね。

 越谷オサムさんの「階段途中のビッグ・ノイズ」がいい。

青春小説というのか成長小説といえばいいのか、10代20代の若者たちが、夢に向かって行動していく中で成長していく小説はおもしろいし楽しいしワクワクしてしまう。

 小説の舞台は県立大宮本田高校の軽音楽部。部の2人の上級生が不祥事を起こして退学処分となり、軽音楽部は廃部の危機に立たされる。たった一人の部員となった神山啓人は、部の存続を諦めそうになるが……映画「7人の侍」の時代からの定番で、個性的な仲間が1人2人と増え、文化祭を目指し障害を乗り越えてゆく。ある程度、展開は読めても、やっぱり感動してしまうのだ。

 同じバンド小説に須藤靖貴さんの「おれたちのD&S(デマンド&サプライ)」がある。やる気のでない剣道部を辞めて、仲間とのビートルズの完コピバンドを始める。パートはドラム。経験はゼロ。仲間達に支えられながら、ぶつかりながら、がむしゃらに頑張る。脇役人生が仲間との出会いで突然に変わる熱血青春音楽小説!

 若者たちの成長小説は、書店で我慢強く探すと結構ある。

山本幸久さんの「笑う招き猫」。お笑いに賭けるヒトミとアカコ。27歳の女漫才コンビで、性格も境遇も異なるが、“本物の漫才師”目指して奮闘中する! 第16回小説すばる新人賞受賞作だ。


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