日明恩さんの「やがて、警官は微睡る」は面白いぞ!

　日明 恩（たちもり めぐみ ）さんの武本&潮崎シリーズの最新作「やがて、警官は微睡る」は、最近読んだ小説の中でもトップクラスのおもしろさ。「それでも、警官は微笑う」「そして、警官は奔る」に続く武本&潮崎シリーズの3作目だが、シリーズのなかでも一番おもしろい。警察小説のなかでも、ワクワク度はダントツではないかと思う。

　男性の場合、「女性作家の小説は苦手」という人がまわりに結構いて、私もその一人。宮部みゆきさん、有川浩さん、三浦しをんさん、上橋 菜穂子さん…最近、女性作家の活躍はめざましく、私もよく読んで楽しませてもらっているのだが、男性作家の作品と違って、違和感があり微妙に夢中になれなかったりするのだ。

「やがて、警官は微睡る」は、ホテルを舞台に映画「ダイハード」のような設定の中、武本刑事が活躍するのだが、既刊の2作品に比べてテーマ性が薄くなった分、娯楽性が強くなり、熱中して読めた。内容的に完全に結末がついておらず、4作目が楽しみ。