乙川優三郎さんの『霧の橋』、こんな作家がまだいたのか。
乙川優三郎さんの『霧の橋』(1997年 講談社 2000年講談社文庫)を、読みました。本書は第7回時代小説大賞の受賞作。主人公は武士の家の次男に生まれるが、父を殺され、病弱な兄に変わって仇討ちの旅に出る。十年に及ぶ放浪の旅をし、偶然に江戸で仇に出会い、これを見事に討ち果たす...
梅雨はどうした?こんな日は、山本周五郎さんの小説を読もう。
関東は梅雨入りしているらしいのだが、雨が少ない。このまま暑い夏に突入というか、もうすでに夏に本格的に入ったのだろうか。蝉が鳴き出しても不思議じゃない。蒸し暑い夜は、山本周五郎さんの時代小説がいい。20代の頃、夢中になって読んだ記憶があるが、数十年、読んでいない。佐伯さんの小...
宮崎駿監督ファンの方、ぜひ読んで下さい。
数々の名作アニメーション映画を生み出した宮崎駿監督。その監督の「となりのトトロ」の発想の原点になったのがデイヴィッド・アーモンドさんの児童書『肩胛骨は翼のなごり』だ。妹(赤ん坊)が心臓病である10歳の少年マイケル。引っ越した先の崩れそうなガレージで奇妙な男スケリグを見つける...
古本屋で探して読んで欲しい一冊!
ブライス・コートネイの自伝的小説「パワー・オブ・ワン」。私の読書人生の中でナンバー1か2に位置する小説だ。 アパルトヘイト体制下の南アフリカが舞台。幼くして父親を亡くしたイギリス系白人のPKは病気がちの母親の負担を軽くするため寄宿制の小学校にあずけられる。家が貧しかったため...
やっぱり、バンド小説はいいね。
越谷オサムさんの「階段途中のビッグ・ノイズ」がいい。 青春小説というのか成長小説といえばいいのか、10代20代の若者たちが、夢に向かって行動していく中で成長していく小説はおもしろいし楽しいしワクワクしてしまう。 小説の舞台は県立大宮本田高校の軽音楽部。部の2人の上級生が不祥...
日明恩さんの「やがて、警官は微睡る」は面白いぞ!
日明 恩(たちもり めぐみ )さんの武本&潮崎シリーズの最新作「やがて、警官は微睡る」は、最近読んだ小説の中でもトップクラスのおもしろさ。「それでも、警官は微笑う」「そして、警官は奔る」に続く武本&潮崎シリーズの3作目だが、シリーズのなかでも一番おもしろい。警察小説のなかで...